いつもより3時間ほど長く働いた後に見る朝日はなんとも言いがたい光だ。
いつもならタクシーを使うところを、ぼんやり歩いて帰ってみると「いつも通りの不思議な光景」を目にした。
東京湾沿いの埠頭コンテナに数頭の馬がたたずんでいる。
不思議な光景とは言っても、何度この光景を目にしただろうか。
もうこの仕事を始めて4年になるし、朝帰りになる度に見てきた光景だ。
だが、いつもこの光景にたじろいでしまう俺がいる。
あのクレーンが馬に見える時間帯というのは東から日が昇ってくるこの時間帯だけ。
この時間だけは冷たい鉄鉱で造られた機械が、サバンナに悠々とたたずむ馬へと還るような気がして素通りできないのである。
〝だいだらぼっち〟という建造物や山が化けたという巨大な妖怪がいるが、もしかしたらそれに近い系統かもしれない。
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by cledy_theater
| 2006-08-26 06:05